ドージ投資ちゃんねるのBlog

トレードに関する自分のためのメモ

通貨先物

最近、藤巻健史 (@fujimaki_takesi) / TwitterさんがPRESIDENTに寄稿した「日本人は「みんなで貧乏」になるしかない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落が起きる」と断言する理由」

president.jp

を読んでいる中で通貨先物による円安ドル高の説明を目にしたが、馴染みのない商品だったので少し調べてみた。

https://www.iima.or.jp/abc/sa/3.html

これの説明がわかりやすい。昔、フォワードレートとか何とか勉強したことがあったけどそれに近い考えかも。

直物相場と先物相場の開きを直先スプレッド(スワップポイント)といい、通常、2通貨間の金利差を反映しています。先物相場は直物相場をベースに、直先スプレッドを調整して算出されています。基本的に、金利の高い通貨の先物相場は直物相場より安く(先物ディスカウント)、金利の低い通貨の先物相場は高くなります(先物プレミアム)。例えば、日米金利差は、例外的な時期を除いては常にドル金利の方が高かったので、ドル円の先物相場は、ほぼ常に直物よりも円高・ドル安の水準にあります。繰り返しになりますが、先物相場はその通貨が将来高くなるのか安くなるのかという思惑ではなく、2通貨の金利差から算出した直先スプレッドを直物相場に加減することで決まるのです。

先物相場が決まるしくみをみていきましょう。簡単な計算例として、 為替相場が1ドル=112円 3カ月物の円の金利が年利0.01% ドルの金利が年利1.1% 運用する円資金を112万円(112円×10,000ドル)とします。 3カ月間、円で運用した場合の元利合計額は、{112万円×(1+0.0001×3/12)}=112.0028万円です。 ドルに換えて運用した場合は{10,000ドル×(1+0.011×3/12)}≒10,027ドルとなります。 ここで円とドルのいずれで運用しても成果が同じになる相場は1ドル=111円70銭(112.0028万円=10,027ドル×Y Y≒111.70円)で、これが先物相場になります。

藤巻さんの記事の中では

例えば今直物が150円、1年の先物が140円だとする。それが日米金利差がさらに開くと110円へと下落する。

あなたは買いたくならないか? もっと日米金利差が開き、1年後の先物レートが80円になるなら、あなたのドル先物購入意欲は更に増すだろう。1年たって、その時点での直物レートが150円と本日と変わらなければ、1年前に約束した80円でドルを引き取り、直物市場で150円で売れば、ぼろ儲けだからだ。

このように日米金利差が開くと投機家が先物のドル買いに殺到する。(少し専門的になるのだが)ドルの先物レートは「直物の買い」と「直先の幅」の取引の合算。したがって魅力的になった先物のドル買いによって直物のドル買い圧力が生じるのだ。だからドル高。

要するに、先物レートは、金利差が拡大すればするほど下落する。先物を清算する時は、80円/$で円を引き取り、それを直物150円/$で売る(円売りドル買い)ことで円安圧力が発生する。続けて藤巻さんは

「マーケットが既に織り込み済み」という解説はウソである よく「金利差が開くことはマーケットが既に織り込み済み」などとトンチンカンな解説をする人がいるが、そのような人は素人だと思った方がいい。

「上記の取引が増えるだろうからドルが上がるだろう」との先読み(=織り込む)は存在するが、上記の取引自体は、実際に日米金利差が開いた後でないと出来ないからだ。なにせそれまでは魅力的なレートが出現しないからだ。

以上のような投機家の動きだけでも充分大きな圧力だが、日米金利差が開くと実需のドル買いもドルを押し上げる。ドルで運用する資金を円で調達しようという行為が、その一例だ。

つまーり、何らかの形で市場の金利差が更新された時点から、上記のトレードが発生し、円安ドル高に触れるという訳。何らかの形で・・・というのは、CMEのFedWatchツール

https://www.cmegroup.com/ja/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

などか。ここまでの議論を受けて、トレーダーがするべき具体的な行動は

指標前にINせず、結果を見てから流れに乗ること

特に、最近のFedはほぼ事前の利上げ確率で示される通りの利上げを行なっているので、サプライズを嫌うという意見を信じれば、上記の素直なトレードで利益が出るのではないかと思う。償還期間の短い債券利回りを見ていると

こんな感じで、まあターミナルレートは、だいたい4.5%~5.0%ぐらいか。脱線するが面白い記事を見つけた

https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2021/11/irepo211116/

まあ、当時の金利先物市場も、DSアセットなんとかのチーフなんとかも、間違えるってこと(笑)

しかし、金利はどこまで上がるのか。今のCPIが大体8%ぐらい。一方、名目金利はまあ4%-4.5%ぐらい。単純にこの数値を使って実質金利を計算すると余裕でマイナス。まあ実際は期待インフレ率を使う。最近の5年の実質金利とか出してみると

まあ、プラスだし、インフレは徐々に落ち着くと思うが。それでも実質金利の動きは大事。なんせ、こいつが急上昇してきたら株式市場から一気に資金が抜けてドル高になってきたから(笑)

まあ、色々調べて勉強になった。兎にも角にも、日米5年債金利差とドル円の綺麗な相関関係を見ると、金利に関することは周辺知識含め、常に勉強・アップデートが必要。