ドージ投資ちゃんねるのBlog

トレードに関する自分のためのメモ

トレード振り返り10/24〜

先週の振り返り

とりあえず、株式と為替のチャートを貼っておく。

先週は、月曜の朝から日銀の為替介入があって短期で円高に触れた。その後、円安に戻るもアメリカの経済指標が徐々に悪化することを織り込み始め再び145円台まで介入なしで円高になった。

日銀の介入時に円売りドル買いのポジションを作っていたが、その夜、一瞬で一円ほど円高に触れた時があってその時にストップの逆指値に当たって決済された。もっと安いところでポジション作ってストップ深めにしておくべきだったか、円高を予想して早めに利確しておくべきだったかはまだ答えは出てない。

日銀は相変わらず緩和姿勢。長期国債の買い入れを増やすようだ。

アメリカ経済については、いくつかのインフレがまだ治まってない&円はまだまだ弱いまま

なので、ドル円についてはまだしばらくロング目線。ただ、日本もCPIが徐々に上向いてきて、またアメリカ経済が悪化するのは時間の問題なのでポジションサイズは落としてリスクは小さくしておく。

PCEのコアは若干上昇。他の経済指標を見ても特にターミナルレート引き下げまでは至らないと思って、ナス100をショートしたけど、金曜はショートカバーのような急な上昇で損切り。ポジションサイズが大きかったのでそれなりに損失が出た。反省。レバレッジ管理は大事です。。。

米株はアップルだけまだ業績が良い。だけどアップルが沈むのも時間の問題だと考えてる。株式の単位は、分子に企業価値、分母にドル。今、分母が強くなって、分子が弱くなりつつある状況なので、いずれまた下落トレンドに戻ると考えてる。しかし、短期的には、Nickleaksみたいなクソ記事が出てくる可能性もあったりでドル安・株高に触れる場面もあると思う(=ノイズ)ので、やはりレバレッジ管理しながら、引きつけてエントリーするしかない。

今週も頑張って行こ〜。

通貨先物

最近、藤巻健史 (@fujimaki_takesi) / TwitterさんがPRESIDENTに寄稿した「日本人は「みんなで貧乏」になるしかない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落が起きる」と断言する理由」

president.jp

を読んでいる中で通貨先物による円安ドル高の説明を目にしたが、馴染みのない商品だったので少し調べてみた。

https://www.iima.or.jp/abc/sa/3.html

これの説明がわかりやすい。昔、フォワードレートとか何とか勉強したことがあったけどそれに近い考えかも。

直物相場と先物相場の開きを直先スプレッド(スワップポイント)といい、通常、2通貨間の金利差を反映しています。先物相場は直物相場をベースに、直先スプレッドを調整して算出されています。基本的に、金利の高い通貨の先物相場は直物相場より安く(先物ディスカウント)、金利の低い通貨の先物相場は高くなります(先物プレミアム)。例えば、日米金利差は、例外的な時期を除いては常にドル金利の方が高かったので、ドル円の先物相場は、ほぼ常に直物よりも円高・ドル安の水準にあります。繰り返しになりますが、先物相場はその通貨が将来高くなるのか安くなるのかという思惑ではなく、2通貨の金利差から算出した直先スプレッドを直物相場に加減することで決まるのです。

先物相場が決まるしくみをみていきましょう。簡単な計算例として、 為替相場が1ドル=112円 3カ月物の円の金利が年利0.01% ドルの金利が年利1.1% 運用する円資金を112万円(112円×10,000ドル)とします。 3カ月間、円で運用した場合の元利合計額は、{112万円×(1+0.0001×3/12)}=112.0028万円です。 ドルに換えて運用した場合は{10,000ドル×(1+0.011×3/12)}≒10,027ドルとなります。 ここで円とドルのいずれで運用しても成果が同じになる相場は1ドル=111円70銭(112.0028万円=10,027ドル×Y Y≒111.70円)で、これが先物相場になります。

藤巻さんの記事の中では

例えば今直物が150円、1年の先物が140円だとする。それが日米金利差がさらに開くと110円へと下落する。

あなたは買いたくならないか? もっと日米金利差が開き、1年後の先物レートが80円になるなら、あなたのドル先物購入意欲は更に増すだろう。1年たって、その時点での直物レートが150円と本日と変わらなければ、1年前に約束した80円でドルを引き取り、直物市場で150円で売れば、ぼろ儲けだからだ。

このように日米金利差が開くと投機家が先物のドル買いに殺到する。(少し専門的になるのだが)ドルの先物レートは「直物の買い」と「直先の幅」の取引の合算。したがって魅力的になった先物のドル買いによって直物のドル買い圧力が生じるのだ。だからドル高。

要するに、先物レートは、金利差が拡大すればするほど下落する。先物を清算する時は、80円/$で円を引き取り、それを直物150円/$で売る(円売りドル買い)ことで円安圧力が発生する。続けて藤巻さんは

「マーケットが既に織り込み済み」という解説はウソである よく「金利差が開くことはマーケットが既に織り込み済み」などとトンチンカンな解説をする人がいるが、そのような人は素人だと思った方がいい。

「上記の取引が増えるだろうからドルが上がるだろう」との先読み(=織り込む)は存在するが、上記の取引自体は、実際に日米金利差が開いた後でないと出来ないからだ。なにせそれまでは魅力的なレートが出現しないからだ。

以上のような投機家の動きだけでも充分大きな圧力だが、日米金利差が開くと実需のドル買いもドルを押し上げる。ドルで運用する資金を円で調達しようという行為が、その一例だ。

つまーり、何らかの形で市場の金利差が更新された時点から、上記のトレードが発生し、円安ドル高に触れるという訳。何らかの形で・・・というのは、CMEのFedWatchツール

https://www.cmegroup.com/ja/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html

などか。ここまでの議論を受けて、トレーダーがするべき具体的な行動は

指標前にINせず、結果を見てから流れに乗ること

特に、最近のFedはほぼ事前の利上げ確率で示される通りの利上げを行なっているので、サプライズを嫌うという意見を信じれば、上記の素直なトレードで利益が出るのではないかと思う。償還期間の短い債券利回りを見ていると

こんな感じで、まあターミナルレートは、だいたい4.5%~5.0%ぐらいか。脱線するが面白い記事を見つけた

https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2021/11/irepo211116/

まあ、当時の金利先物市場も、DSアセットなんとかのチーフなんとかも、間違えるってこと(笑)

しかし、金利はどこまで上がるのか。今のCPIが大体8%ぐらい。一方、名目金利はまあ4%-4.5%ぐらい。単純にこの数値を使って実質金利を計算すると余裕でマイナス。まあ実際は期待インフレ率を使う。最近の5年の実質金利とか出してみると

まあ、プラスだし、インフレは徐々に落ち着くと思うが。それでも実質金利の動きは大事。なんせ、こいつが急上昇してきたら株式市場から一気に資金が抜けてドル高になってきたから(笑)

まあ、色々調べて勉強になった。兎にも角にも、日米5年債金利差とドル円の綺麗な相関関係を見ると、金利に関することは周辺知識含め、常に勉強・アップデートが必要。

最近のトレード振り返り(失敗集)

最近のトレードの中で主に失敗だったと思うものを中心に、振り返る。

  1. 株式
  2. 為替
  3. 株価指数先物(CFD)、他

と分けて、それぞれ個人的メモとして書いていく。

  • 株式・・・日本のインバウンド解禁を見据えてずっとANAを買っていた。

利益はそれなりにあったものの、2720円ぐらいで降りてしまった。。。

そしてその後、100円以上高いところで買い直してしまう。

自分の中では、日本株に関しては銘柄をちゃんと選定すればリターンはそれなりにあるだろうと思っていたが、リサーチ不足からくる握力不足!現在の株価が2920円とかそこら辺なので、まあ、結果論としては入り直して良かったのだが。学んだ教訓は、ちゃんとリサーチして適当に降りたりしないこと。

  • 為替

神田暴威による怒涛の介入があった。

昨日の相場は結構、出来高も多かった。原因としては、以下の3つ。

  1. Fedウォッチャー NickによるFedメンバーのリーク記事

    米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は最新の投稿で「11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍にあたる0.75%の利上げを決め、今後の利上げ幅を議論する見通し」と報じた。また、複数の委員が「やり過ぎるリスク」を意識していると指摘した。

  2. 連銀総裁のブラード、デーリーのハト派コメント www.bloomberg.co.jp 利上げ一本だったFedも、内部では次の段階への議論がなされるよう。FOMCの後のパウエルの会見で中身は明らかになると思うが、それでも「データ次第」という言葉がついて回ると思う。ドル円については、日銀のYCCは継続中で、特に材料なし。なので、ドル安に起因する円高ドル安によってドル円の下落リスクが出てきた。

  3. 神田暴威の介入 財務省所属の暴威軍 神田暴威の深夜残業介入芸が炸裂。画像の通り、152円近くから146円半ばまで5.5円ほど下落。23:30分ごとに介入を開始して、底打ちが1:00。まあ、いつものごとく何発か分けて介入してきてると思われる動き。コンセンサス「日銀の介入は、結局、日米金利差の問題を解決しないから、いずれ円安方向に戻る」。だったけど、上述のa, bの合わせ技なので、今回も前回と同じように152円まで戻るかは不明。

そんな昨日だが、まだ利上げがストップした訳でもなく、また日本円はYCCで頭を押さえつけられている状態なので、円安基調は不変として、ドル円ロングでINした。

とはいえ、デフレ王国 日本にもコストプッシュインフレといえど、インフレの兆候が見られている。とは言え、コアコアで1.8%程度。まあ、日本円に関する新しい材料は、しばらく出ないと思う。出るとしたら、やばいやつ。

色々と脱線したけど、現時点では、米国の経済指標は強弱、入り乱れてきたが、ドル円に関してはもう少し、円安方向に触れると思ってる(し、実際、ドル円ロングしている。)

  • 株価指数先物、その他・・・ 書くの疲れてきたけど、書く。

木曜の時点でドル安を見込んでて、ナス100とゴールドをロングしてた。だけど、木曜の相場では、ゴールドもナス100もなぜか下落。その時、US10Yがガンガン上がってて、やっぱりBS圧縮という根本がある限りは、プラスの要素(経済指標がまちまち)よりも強いのかと思い、一旦、切ったのだが、金曜の夜に先述のNickのクソ記事が出てきて一気にドル安、ゴールド高・株高。最悪!!!!と思うが、これも最初に書いたANAと同じで、リサーチ不足からくる握力不足。。。あとは、レバレッジが高かったかなとも思う。学んだことは

  • レバレッジ管理
  • リサーチをしっかりする

しっかりリサーチをして、自信があるポジションだったらある程度、レバレッジかかってても許容できる。まあ、教訓として月曜からまた頑張っていこう!

金利について

金利について自分の復讐を兼ねてまとめてみる。

世の中には金利と1口に言っても色々な金利がある。銀行の定期預金の金利、債券のクーポンレート、住宅ローン金利などなど。また、中央銀行が発表する政策金利ことを端的に(短期)金利などと言う。

色々と存在する金利の中で、今回はトレードをする上で重要かつ金融マーケットで基本的な金利である「名目金利」と「実質金利」について、自分の勉強も兼ねて記事を書いた。

Fisher方程式

米国の経済学者Fisherが考案した関係式をはじめに紹介する:


\text{名目金利} = \text{実質金利}+\text{期待インフレ率}+\text{リスクプレミアム}

具体的な例を引き合いに説明したいので、 名目金利:米国10年債利回り 実質金利:米国10年物価連動債の利回り と考えることにする。一般にリスクプレミアムについては測定が容易ではないことから、期待インフレ率にリスクプレミアムは織り込まれていると考え、上式を近似式に書き直すと次のようになる:


\text{名目金利} \sim \text{実質金利}+\text{期待インフレ率}

期待インフレ率

期待インフレ率は、名目金利と実質金利の差として定義される。一般に期待インフレ率は、直接、計測することが出来ない。期待インフレ率は、インフレ予想とも呼ばれ、例えば、「10年期待インフレ率が3%」は、現在の市場参加者が今後10年間の平均インフレ率は3%だと予想しているということである。

名目金利

通常、名目金利は広い意味で、世間一般に目にする金利のことを指す。銀行の定期預金の金利、債券を起債する時に示される債券利回り等、不動産の利回りなどなど。せっかくなので、市場で話題になる米国10年債利回りの考え方、導出についてまとめてみた。

米国債利回りの考え方

例えば、額面価格100、起債から償還までN年、1年に1回のクーポン利息がD、リスクフリーレートrの債券を考えると、その現在価値PVは

{ \displaystyle
PV= \sum_{1 \le k \le N-1}\frac{D}{(1+r)^k}+\frac{100+D}{(1+r)^N}
}

となる。ここで注意点が1つ。普段、ニュース等で言及される「米国10年債利回りが〜」というのはクーポンの利率D/100のことではなく


\text{債券利回り}(\%) = \dfrac{\text{残クーポンの総和} + \text{償還差益}}{\text{債券価格}}

のことを指す。償還差益は、償還額と債券購入時点での価格の差である。上式左辺を変動させる要因はなんだろう?クーポン額Dは、起債時点で予め決まっているため定数である。償還差益は、「償還額と債券購入時点での価格の差」であり、償還額もDと同様、起債時に決まっているので定数である。今、述べた定数を全てC、債券価格をPVとすると債券利回りの式は


債券利回り(\%) = \dfrac{C-PV}{PV}=\dfrac{C}{PV}-1

となる。この時、変数はPVのみ。つまり、債券の現在価値(=PV)が変動することで債券利回りが変化することがわかる。

例えば、インフレ時は一般に債券は売られる。なぜなら、債券は起債から償還まで受け取る金額の合計が一定のためである。クーポンを受け取る期間に世の中の物価が上昇しても受け取るクーポンは変わらない。現金の価値が、モノの価値に対して相対的に下落していくインフレの時期では、債券の利息収入だけでは投資パフォーマンスはインフレに負けしてしまう。つまり、インフレを予測した債券投資家が取るべき選択は債券を売って株式やコモディティーなど一般的にインフレに対して耐性のある資産を買うことである。上のPVの式では、rはN年間一定であるかのように書いたが正確には、各年のrは同じ値ではなく、年度ごとに変化する。それを考慮してPVの式をあらためて書き直すと


PV(r_1,r_2,\cdots,r_N) = \dfrac{D}{(1+r_1)}+\dfrac{D}{(1+r_2)^2} +\dfrac{D}{(1+r_3)^3}+ \cdots +\dfrac{100+D}{(1+r_N)^N}

という式が正しい。現実の金融政策を思い浮かべると、インフレ亢進期では中央銀行は政策金利rを引き上げる。(いわゆる利上げ)もう自明だと思うが、インフレを予測した投資家は将来自点のr_kが大きくなると思っているので、PVが小さくなるだろうと考えるのである。以上、整理すると


\text{債券利回り}(\%) = \dfrac{\text{残クーポンの総和} + \text{償還差益}}{\text{債券価格}}
=\dfrac{C-PV}{PV}=\dfrac{C}{PV}-1

  • PV↓(↑)のとき、債券利回り(%)↑(↓)

であることがわかる。主にインフレの場合を想定して説明したがモノに対してキャッシュの価値が増価するデフレの時期も上の議論と逆の説明になる。次に具体的な数値を使って計算してみる。

計算例

残存期間10年、額面金額100円、利率1.5%の国債があり、半年ごとに0.75円ずつ(年1.5円)の利息が支払われるとする(計算を簡単にするため非課税と仮定する)。この国債の価格が、額面金額と同じ100円だった場合、年当たりの「利回り」は、利率と同じ1.5%となる。ところが、もしこの国債の価格が90円だった場合、100円-90円=10円が償還差益となる。したがって、年当たりの差損益は10円÷10年=1円となる。この1円を利息の1.5円と合算した収益は2.5円。この2.5円を債券価格90円で割ると、この国債の利回り(2.77%)が出る。

引用: www.oanda.jp

これまでの議論の考え方に沿って、国債価格が90円だった場合の国債利回りを計算してみる。


\text{債券利回り}(\%) = \dfrac{\text{残クーポンの総和} + \text{償還差益}}{\text{債券価格}}
=\dfrac{C-PV}{PV}=\dfrac{C}{PV}-1

だった。残クーポンの総和は、残存期間10年で額面金額100円に対して利率1.5%だから、


100\times 1.5/100\times 10=15

よって15円。償還差益は、100-90=10円。債券価格は90円。なので債券利回りをRとおくと


R=\dfrac{15+10}{90}=0.25~27.8\%

となる。つまり、この債券の10年間の利回りは27.8%だ。しかし、これを1年あたりの利回りに直すとどうなるか?10年間で合計27.8%の利益になるのだから単純に10で割って2.78%の年間利回りとなる。ここで注意したいのが、この時の毎年の利益は再投資される訳ではない。再投資を許す商品のリターンを計算する時なんかは、幾何平均の考え方を使う必要があるので注意。

実質金利

実質金利とは、名目金利から将来のインフレ率を引いた金利のことである。序盤に示したFisher方程式


\text{名目金利} ≒ \text{実質金利}+\text{期待インフレ率}

を見ると実質金利は名目金利と期待インフレ率の差であることが分かる。実質金利は物価連動国債の利回りとして算出される。例えば、名目金利が5%、実質金利が3%だとすると、期待インフレ率は2%である。これは、市場が予想する今後、最大10年間の平均インフレ率[%/年]が2[%/年]であることを示唆している。実質金利は、普段の生活ではなかなか目にしないので、実質金利を具体的に理解するため実質金利がプラス、マイナス、0の場合に分けて具体的に説明してみる。以下では、銀行の定期預金の金利(=リスクフリーレート、名目金利)は2%であるとする。

  • 実質金利>0の場合

期待インフレ率0%の場合


\text{実質金利}=2\%-0\%=2\%

となる。今、期待インフレ率が0%なので現在、1000万円で販売されてる財Aは1年後も1000万円のままである。一方、銀行に1年間1000万円を預けると1年後には1020万円となり、1年後に財Aを購入しても手元には20万円が残っている。よって、実質金利>0の時は、消費者は一般に消費よりも預金を選択するだろう。

  • 実質金利=0の場合

期待インフレ率2%の場合、実質金利は0%である。この場合は、銀行に1000万円を1年間預けて利息20万円を受け取っても、財Aの価格も同時に20万円値上がりしている。よって、消費者にとっては消費と預金の効用の高さは等しいだろう。

  • 実質金利<0の場合

期待インフレ率が3%の場合、財Aの価格は1年後は1000万円から1030万円になる。一方、銀行に預けた1000万円は1年後は1020万円である。1年間、1000万円を銀行に預けると消費者は財Aを購入することが出来ない(10万円、不足の状態)。つまり、この場合、消費者は預金よりも消費を選択する。

実質金利の値によって、景気がこれからどうなるのかは簡単に想像できるだろう。ここで2020年の1月から2022年9月現在までの各金利の推移を見てみよう。

画像のオレンジ色の線が実質金利の値動きである。見ての通り、コロナ禍のFedの金融緩和政策によって、期待インフレ率が上昇。それにより、実質金利は強烈に押し下げられた。(もしくは、物価連動国債が買われその金利である実質金利が下がった。)この間、人々の消費意欲は強烈に高まり現在のインフレを招いている。(ロシアのウクライナ侵攻やカーボンニュートラル政策なども多少、関係していると思うが)

実際の数値

参考までに、FRBが公開しているデータをpythonのpandas拡張ライブラリであるpandas_datareader.dataを使ってスクレイピングしてみた。

1列目からUS10年債利回り(名目利回り)、US10年物価連動債利回り(実質利回り)、US10年期待インフレ率である。1列目は2列目と3列目の和になっていることが確認できる。今はCPI前年比8%と高インフレに喘いでいるアメリカだが、10年期待インフレ率はかなり下がっており実質金利は僅にプラスとなっている。これはもちろんFedのインフレ対策、金融引き締めの効果だろう。(pythonコードも後ほど載せる予定。)

結論

実質金利は消費者の行動を考える上で欠かせないファクターである。企業価値はそうした人々の行動の裏付けであり、株価とは切っても切り離せない。これからも金利についての記事は自分の勉強のためにも時々、アップデートしたい。